「電脳コイル 放課後探偵局」は、2007年にNHKで放送されたSFアニメ「電脳コイル」の舞台となった大黒市で、都市伝説の謎を解き明かすことを目的としたブラウザゲームです。
原作となった「電脳コイル」はSFアニメとして非常に高い評価を受けた作品でもあり、複数の賞を受賞しています。
受賞した賞の中には、日本SF大賞も含まれ、日本SF大賞といえば押井守監督の「イノセンス」、最近では特別賞で「シン・ゴジラ」などの日本を代表するSF作品が多数受賞している作品です。
アニメ「電脳コイル」の原作・監督・脚本を担当されたのは磯光雄さんで、「映画 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」の作画監督、「新世紀エヴァンゲリオン」、「宇宙ショーへようこそ」の原画を担当されるなど、日本のSFアニメ業界で活躍するアニメーターです。
そんな非常に優れた「電脳コイル」の世界を「電脳コイル 放課後探偵局」では、アニメのエピソードにも登場するキャラクターと一緒に大黒市の都市伝説の謎を解明していきます。
ゲーム版「電脳コイル 放課後探偵局」は、プレイヤーが電脳コイルの舞台である大黒市に住む小学生となり、都市伝説の謎を追う、という内容のブラウザゲームです。
ゲームチュー(現在はPmangにリニューアル)というゲームのポータルサイトで配信されていたブラウザゲームで、基本無料・アイテム課金の形式でプレイが可能でした。
アニメにも登場したおなじみのキャラクターから依頼を請けたり、目黒市を探索したりして、謎解きやアイテムの収集を楽しむことができるものです。
また、他のプレイヤーと協力して強敵に立ち向かったり、伝言板を通してコミュニケーションを取るソーシャルゲーム的な要素も含まれていて、幅の広い遊び方を楽しめるゲームでした。
2013年7月12日をもって配信は終了してしまいましたが、アニメに描かれなかったエピソードもあり、電脳コイルファンに人気を博しました。
「電脳コイル」は架空の都市である大黒市を舞台に、登場人物である小学生が「メガネ」と呼ばれる電脳世界にアクセスするためのツールを使って、事件や都市伝説の謎を解明していくストーリーとなっています。
電脳世界を舞台する作品は数多く、例えば押井守監督の代表作品でもある「攻殻機動隊」では、人体のサイボーク化だけでなく、脳内にマイクロマシンを埋め込み、人間の脳とネットワークを直接接続する技術のことを「電脳化」と表現しています。
また、他の作品でも人間の意識がネットワークなどのデジタル世界に侵入する作品がいくつかあり、「アクセル・ワールド」や「ソードアート・オンライン」、「.hack」などのライトノベルやゲームを原作とする作品から、ハリウッドのスティーブン・スピルバーグ監督の「レディ・プレイヤー」などのSF映画もあります。
ここ最近では、VR技術を使った仮想現実を様々なサービスに応用されるようになりました。
残念ながら人間の意識をデジタル世界に送ることは未だに実現していませんが、いつか未来では電脳世界は身近な現実になるかもしれません。
「電脳コイル」はそんな電脳世界を、電脳メガネというツールを使って現実世界と重ねて見ることができる世界観となっています。
電脳が日常生活に溶け込んだ未来で、登場人物である小学生達が様々な問題に立ち向かっていくストーリーです。